この日を待ちに待ちつづけたトーナメンター達が竹芝桟橋に集まった。10月12日(土)の20時
、私とS君もその中に居た。
お互い今年こそ何か起こりそうな予感がしていた。受付もいつになく早く、7と8番目の切符を手に入れた。
船の座席は和室とシート席が抽選で決まるルールだった。受付にあったサルビア丸のシート席は足置きもありゆったりとしていたので、シート席が当たるように、くじ運の強いSさんに引いてもらった。
すると見事にシート席を引き当てた。喜ぶ僕らにはこれから先も幸運が続くように思われた。
今度は磯を決める段になり、いつもなら二つ根か神の根を選ぶが、そこにはいつもより少し多めの名前が磯割表に書かれていた。ここで迷ったが、Sさんが野増の隣の『瀧ノ口』はと言った。まだその辺りは一度も行ったことがなかった。
TFCの方に聞いて見ると、ゴロタだけどその先に大きな岩もあるとの事だった。瀧ノ口で釣れなければ移動し岩の所へ、そこでも駄目なら野増漁港があると考えた。そして何よりその決定を左右したのは、くじ運の強いSさんが薦めた磯だったからである。
21時半になり待合所から船に移動すると、なんと小さい『はまゆう丸』だった。船室は参戦者とその荷物で一杯になり、トイレ等はやっと通れるだけの通路になった。
そして、シート席は足置きも無ければ、車のシート程も倒れないリクライニングシートだった。これでは寝れる訳がない。おまけに常夜灯のこもれ灯が、私の顔を照らしていた。
眠れない。24時半に意を決して、外のデッキのベンチで横になった。台風の影響で強い風が吹く、3時過ぎには寒さに我慢できず船室に戻った。和室を見ると皆ゆったりと寝ていた。くじ運は良くなかったと、その時に分かった。翌朝、下船口は大渋滞でトイレも行けない状態だった。(シマノ殿、次回は考慮して欲しい)
5時半に岡田港に着くとチャーター組みは急いで降りた。我々はゆっくりとバスに向かった。初めての磯でありポイントも分からないので、焦る必要は無かった。
バスから降りて磯へ向かうと、とても釣りができる状態ではなかった。うねりが次々と押し寄せて危険きわまりなかった。今年の何か起こりそうな予感は的中した。
生きていれば釣りはいつでもできるので、一番安全な場所を探した。その結果、たどり着いたのが野増漁港だった。既に先端に2名、脇にも5名入っていた。それでも何とか湾内でない位置が確保できた。
試合開始から1時間以上も経った7時過ぎ、先着者は何も釣れていない様子だった。我々もコマセをマキながら準備をした。時折、波が凄い大きさで先端を過ぎて行く。
赤岩等の西側は殆どの磯に入ることが出来ずに、バスで次々と野増港を中心に移動してきた。参加者が至る所に竿を出した。S君の予想はここでは当った。赤岩等だったら、今ごろは磯を探す遊磯民になっていた。
ウキを投入しても波の影響で湾内の海水が右左に動き、あっと言う間に30mも移動する。これでは軽い仕掛けは駄目だとハリの直ぐ上にオモリを置いたが竿1本で根掛りした。
9時前、殆ど今回の大会は駄目だと諦めて、途中で見たテトラで仕切られた場所に移動することを決めた。
そこに移動して直ぐに30cmサイズの魚が掛かった。ハリス2号できられるハズもないし、途中まで寄せるとメジナでもないのでいい加減にあしらったら、ハリが口から外れてしまった。それから暫くしてまた掛った、今度は少し手応えがあった。直ぐ手前のタイドプールまで寄せた。手で持ち上げようと思った。しかし、手を出した瞬間、今度はハリがハリスから抜けてしまった。40cmはあったと思われる。でも悔しくも何ともなかった。(魚種はスズキではないかと思われる)
次を期待してタモの準備をした。すると大きな波が次々と押し寄せテトラを越した。自分が逃げるのが精一杯でバッカンが波で海に落ちた。
残ったコマセでやろうとしたが、安全なところからポイントまで狂風で届かない。完全に今年の大会は終った。
バスから検量場所に向かうと、こんな状況でも釣れ所はあるんだと改めて思った。でも殆どがチャーター組みの裏磯だった。
1位は5匹で4.3kg、ホームページを作っている新井健一さんも今年は3位、昨年の優勝者の鈴木一行さんも18位で、常連の鎌田さんが大物賞だった。そして他魚の部が該当無しになっていた。あの魚を慎重にやりとりすればと、後の祭の私だった。
最後の楽しみの抽選会、私は早々にギフトセットが当ってしまった。シート席を引いた当初くじ運の良いと思われたSさんは何も当らなかった。
S君とサザエとハマグリで一杯飲んで、叉来年頑張ろうと誓った。年に1回の上手い酒だった。
-----------余計な一言----
シマノ殿へ
出来れば表彰式に入賞者の入った磯を公表して欲しい。それがこの大会の『高いレベルでより公平に競う』の基本的な考え方に基づくものだと思う。また、磯割りの不公平さもなんとかならないだろうか?景品も毎年キャップをくばられて帽子が一杯です。
参加者の極々一部の方へ
ルールを守りましょう。船内でガムの紙を投げ捨てる底物師や最後のじゃんけん大会で何度もインチキをする若者よみんな見られていますよ。規則を守っての楽しい釣り大会です。 |