ダンゴ山からブッツエ平

   

Tさんと”少し難しい山”を目指し、カタカナの山を歩いて見ることにした。松田ランドの信号を入ると、直ぐに山道が続いた。当然この先の寄(やどりぎ)は僅かな民家とキャンプ場がある 、山の中と思っていた。しかし、到着したその集落の大きさに驚かされた。

今日は天気も良く登山客が多く、この先の寄大橋まで向うタクシーが多いとTさんが話してくれた。登り始めは9時半、もう一台の車を三保ダムに置いて 戻って来たので遅い出発だった。橋を渡りかけたら、年配の方にシダンゴ山の方向を聞かれた。

   
 

多分こちらでしょうと渡り始めた橋の先を指さした。手前にトイレがある所と聞かれ、グランドの後ろにある旨を話と納得された。

道なりに歩いていくと道標があって迷う事は無かった。道は段々と細く、かつ急になり息がだけが早くも上がった。

 
   
 

9時55分猪避け扉の前に到着した。そして木組の段を登りきると、そこからは少し登り勾配も緩くなってきた。

10時10分、右からの林道と交わるが地図上にその道は書かれていなかった。宮沢の源流と思われる水場が、この手前にあった。

 
   
 

みちは相変わらず緩やかではあるが、人工林の中の歩きは見るものも無く余り楽しくない。

10時40分、暫くすると頂き付近に腰の高さほどの白い小さな木々が見えた。木の名前がなかなか出てこない。

 
 

 
  Tさんに救いを求めたが無駄だった。”あ”で始まるのは分かっているが、『アケビ』ではなく、『あ、あ、馬が酔う木と書いて』等と言い続け、頂上の桜の木の下でやっと思い出した。『アセビ』、そう地蔵平にあった”馬酔木平”の文字からやっと言葉になった。  
   
 

花の少し甘過ぎる香りが漂う。ここで腰を落ち着けようとしないTさん。写真を撮って次の山へ早々に出発した。

下る方向の山名や、途中の分岐も気になったが真直ぐに下った。すると、鉄の階段と林道の分岐に出た。どちらも峠に向っていた。

 
 

11時、”ダルマ沢ノ頭方向”と書かれた急な階段を登り、更に木組の階段を登った。 登りきったところが821mのピークと思った。しかし、更に登りが続いた。

人工林のピーク(写真左)に着いたが、高度計はここでやっと820m。更にアブラチャンの木が多いピークに到着した。870mはあったが標は無かった。

 
 

そこを少し下った。やぶが深くなった。しかし、その距離は短くて、すぐに終った。

11時40分、ダルマ沢ノ頭に到着した。ここも人工林とアブラチャンで、特徴の無いピークだった。

 
 

そこから凡そ5分、一番重要な分岐の道標が道に横たわっていた。これは見落とす可能性が十二分にあった。

そこを右に下った。急な下りでガレ場だった。先を行くTさんの側で私が落とした石が止まった。そして前方にはこれから登る山が見えた。

 

12時、舗装道路にやっと出た。これから先は休憩する場所も無いからと、食事にした。いつもお酒を頂くので今回は私が準備すると言って おいたが、彼も準備していた。

結局彼は2缶飲み干しリラックスしてきた。私が20分後に出発しようと言うと、直ぐにいびきが聞こえてきた。羨ましい限りであり、これ位の人でないと神経質な私と山に行こうと考えないだろうと思った。

 

 
 

12時50分、檜岳(ヒノキダッカ)と秦野峠を示す道標に従って登りはじめた。ここも急坂だった。アルコールの入った体がやけに重 たかった。振り返ると、先ほど下りてきたダルマ沢ノ頭や西ヶ尾の峰が見渡せた。

 
   
 

ミツバツツジが咲いていた。秦野峠付近の標高750m位でミツバツツジが咲いていた。今年、この花は例年より早く山を登って行くように思われた。

人工林から雑木林になり痩せ尾根を進む。色彩豊かな林に満足していると、黄色い道標(写真上)がありここが分岐だと分かった。13時15分

 
 

 
   

青銅色した土に黄色い若葉が映える。それを記録しようとするが300万画素のカメラでは難しい。

右の先には玄倉からの道と田代沢に掛る橋が見えた。左右の若葉がまた綺麗だった。

 

 
   
 

13時25分、鞍部の細い道を過ぎ登りとなる。13時45分少し平らな頂に出たが、道標は全く無かった。

方位計と踏み跡を確認しながら進む。周りの景色は殆ど見えない。そして直ぐにやぶに入った。

 

   
 

14時、右手に先週登った戸沢ノ頭が見えた。麓には桜の木が点在し、花は今が盛りと教えてくれる。

広々とした頂きにここが目的のブッツェ平だと思った。ブナの木が点在している。

 
   
 

しかし、少し下り始めると前方に高い山が見えた。急いで地図を確認する。ここは866のピークだった。14時5分

ブッツェ平はその高い山だった。100m下り舗装道路に出た。白木蓮が満開だった。14時20分

 
   
 

登りはじめて直ぐに分岐があった。水平方向の左に向ったら下りになってしまった。ここもテープマークはなかった。戻って四つん這いで直登を進んだ。

標高差は凡そ100m、14時45分頂上に到着した。しかし、ここも 今まで登り次いだ頂きと同じく、アブラチャンと人工林に囲まれた特徴のない場所だった。

 
   
 

マークが無いので地図と方位計を確かめる。左に進もうとするTさんと尾根筋を下ろうとする私で意見が対立した。

Mさんの意見で一旦尾根筋を離れる道を進んだが、直ぐに尾根に交わった。地図に書かれている通り鹿柵に沿って歩いた。

 
   
 

15時15分、鹿柵沿いを歩いているとやぶに左右を覆われた。けものが土を掘り起こした跡が無数にある。

15時20分、またまたアブラチャンの木が多いピークに到着した。高度計は770mを表示していた。左後方に西ヶ尾と高松山が見えた。

 
   
 

15時30分、背丈の3倍もある深いやぶに覆われた。この竹は直径1m位にまとまって成長していた。

後で分かったが、その竹やぶを右に進むとスッパリと落ちた数十メートルの崖になっている。間違えると大変危険なところだ。15時35分、大野山との分岐に到着した。

 
 

 
   
 

ヒノキの人工林の中を歩く。もう人工林とアブラチャンは食傷気味である。15時50分、三保ダムまであと2kmとなった。

またまたヤブを抜ける。  
   
16時、神縄への分岐に到着した。

16時10分、三保ダムへの山道は続いたが、もう十分に歩いたので舗装道路に下りてダム駐車場にむかった。

 

<時間>

駐車場25分〜猪避け扉〜15分〜林道合流〜30分シダンゴ頂上20分〜林道〜30分821m10分ダルマ沢頂上5分〜分岐〜20分〜林道〜25分〜秦野峠分岐〜50分866m15分〜林道〜25分ブッツエ平50分〜大野山分岐〜25分〜神縄分岐(舗装路)〜30分〜ダム駐車場

シダンゴ山まで              1時間10分

シダンゴからダルマ沢ノ頭まで     1時間

ダルマ沢ノ頭から林道まで           50分

林道からブッツエ平まで         1時間55分

ブッツエ平から大野山分岐まで        50分

大野山分岐からダム駐車場まで        55分

(注 一部舗道を歩く)

合計                     6時間40分

<そのた>

読売新聞に記載された『みなみらんぼうさんの一歩、二歩、山歩』で案内されたシダンゴ山とその周辺を歩いて見たくなりTさんと出かけました。

もう2年、丹沢の登って無い山をTさんと歩きはじめています。その都度新しい発見ができてよかったと思いますが、今回のブッツエ平については感動がありませんでした。

それは余りにも人工林が多く、且つ見晴らしも悪く季節を感じる事が少なかったのが原因かも知れません。とは言っても新しい山の経験や知識は次に結びつきます。

次はどこへTさんとでかけようかな。