| ツツジの花は1673mのピークで | |||
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     山ツツジ  | 
    
     雷滝 | 
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     6月5日、山友達のTさん、それに釣り友達のTさんとの3人で、”蛭ヶ岳直登ルート”を登った。  | 
    
     釣友のTさん(以降”釣るさん”)の山暦は、大山の下社と富士居山程度で、仏果山も登った事がない。  | 
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     蛭ヶ平 | 
    
     
     蛭ヶ平のブナ 
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     この直登ルートも”北丹沢ガイドブック”で知ったコースで、昨年から登りたくて仕方が無かった。  | 
    
     Tさんも望んでいて、何度か一人で行くと行っていたが『熊の巣があるから』と思い止まらせていた。  | 
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     蛭ヶ平 | 
    
     
     蛭ヶ平の二股ブナ  | 
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     毎年この時期は蛭ヶ岳山荘で一泊して西丹沢に下りるが、今年は体力の無さ(実はオーバーウエイト)をしみじみと感じ、とても長い縦走が出来る状態ではないと悟った。  | 
    
     そこで、”直登ならば”と挑んだ次第である。釣るさんは、先々週に『山に行くなら連れて行って』と言われていたのを思い出して、誘ってみたのだ。  | 
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     三人だと更に話しにひろがりが出来る。釣さんに『アセビて知っている?』と尋ねると『馬が酔う木と書くんだよね』と返って来た。これは凄いと思い、素直に『良く知っているね』と言ったら、近くのスナックに同じ名前があ ったとの事。  | 
    
     根がノンベーの彼である。今回、彼はシロヤシオに興味を持った。彼は、腰痛の治療の為、毎週川原を数時間歩いているので、体力的な心配は無いと思っていた。 今回の山登りで一番心配 だったのは腰痛である。  | 
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     今も時折、病院通いをしているので、無理な登りでそれが出ると、彼を負ぶって下山しなければならなくなる。そんな不安があった。車を丹沢観光センター近くの道路脇に止めて歩き出した。  | 
    
     冬に設置されていたゲートが無かったのに、何故Tさんがここに止めたのかが、後で分かった。魚止橋 を渡り、直ぐ左脇を登った方が正規ルートよりよっぽど早かった。  | 
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     シロヤシオ  | 
    
     
     蛭頂上付近のバイケイソウ  | 
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     彼は先週、雷滝まで歩いたらしいので、そこまでは彼に任せておけば安心である。  | 
    
     造林小屋から沢沿いの道を進むが、このルートは改めて危険なところだと思った。脇見をして一歩間違えると谷底である。  | 
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     蛭頂上付近のシロヤシオ  | 
    
     
     蛭ヶ岳下山(鬼ヶ岩に向う)  | 
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     そして二つ目の沢渡りのところは、木橋が流されていた。石を飛び移って先に進んだ。雷平で10名位のグループが居た。まだまだツツジの見物の人は多いようだ。  | 
    
     雷平を右の原小屋沢の流れに沿って登る。暫く歩くと白いウツギの花が右斜面を覆うように咲いている。  | 
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     途中のシロヤシオ  | 
    
     
     熊木沢  | 
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     これほど見事な景色は滅多にない。更に雷滝に近づくと、今度は山ツツジが 上から下に咲き、まるで滝のようだった。釣るさんと暫しその景色に見とれている。  | 
    
     彼に『もう直ぐ雷滝だよ』と教えると、『何で分かるの?』と問い返してきた。肌で風を感じ滝で発生するマイナスイオンの匂いがしたので、そんな応えをした。  | 
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     ツツジが満開  | 
    
     
     ツツジが満開  | 
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     滝に着くと、彼も雷滝を見上げ『いい滝だね』と言った。Tさんもこの滝は好きである。岩巾20mを端から端まで使い、一気に流れ落ちるさまは、潔くて気持ちが大きくなる。  | 
    
     釣るさんの一服が終るのを待ち構えた様に、僕らの未知のルートへ足を踏み入れる。滝の左側に赤黄テープがありそれに導かれるように進む。  | 
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     鬼ヶ岩へ  | 
    
     
     鬼ヶ岩からの眺望  | 
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     渓流釣り師がつけた踏み跡と、山師の踏み跡が数箇所で分岐を作っている。急坂で目線が低くなりともすると平行移動する釣り師の踏み跡に誘われるように進んでしまう。  | 
    
     注視をしなければいけないのは、踏み跡と先人達がマークしてくれたテープである。嫌になるぐらいの急坂でおまけに昨日の雨で土がドロ途状態で滑りやすかった。  | 
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     三人で  | 
    
     
     白馬尾根下山路付近  | 
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     先を行くTさんが足を滑らす。私と釣るさんはそれを見た対応を試みる。従って滑る回数は少ない。リュックにつけたステッキがジャングルようになったウツギの枝に引っかかる。  | 
    
     金山谷ノ頭も急坂できつかったが、更に登る人が少ないのか、途巾は狭く両手を広げると直ぐに木々が手に触れる。急坂で四つん這いになるのは、木々を掴む事で避けられ、二足歩行が出来た。途中で直径25cm程の皿が木にくくり付けられていた。  | 
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     白馬尾根下山路  | 
    
     
     白馬尾根下山路  | 
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     よーく見ると道標のようで、”市原新道”と”市原旧道”、それにこれから登る”蛭ヶ岳”が矢印の先に書かれていた。鹿避けの金網を左に更に登ると、途中でまた分岐があった。信頼していたテープはその 先の両方の木に巻かれていた。  | 
    
     Tさんが新しい方が正しいのではないかと言って、私もそう思った。鹿避けの扉の外れた平らな途の方に進んだ。20m進むと左側に山なみが見え中腹に大きな滝が見えた。安易に”円山木ノ滝”と言った私に、Tさんが”大滝”と応えた。  | 
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     大滝は岩で完全に見えないから”幻の滝”と言われているが、遠くに見えるのは水の落ちるのが完全に見えるのである。Tさんと確認し、どうも左上から見ているので分かるから、Tさんの言うのに間違いがなかった。  | 
    
     でも、途は間違っていた。これを進むと別の方向に進むようである。そして途中から木々が変わってきた。釣さんに木の種類を聞かれたが、即答できなかった。  | 
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     太いブナが目立つようになった。彼は倒木を見てクワガタが居そうだとステッキでかき回した。そこから暫く登ると、一気に私のテンションが上がった。*素晴らしい景色である。ブナの巨木が天を突くように大きく背伸びをしている。しかも何本もある。その素直なブナの大木は急坂で疲れた気持ち和ませてくれる。 またまた丹沢が好きになった。 皆で、その中で撮影会が始まった。Tさんと釣さん、そして釣さんと私と二又のブナなど等が被写体になる。そしてこの1300m辺りからシロヤシオが残っていた。半分以上散っているので最初は今一だった釣さん。登るにつれてミツバツツジの艶やかさと、一杯に開花するシロヤシオが彼の瞳を輝かせていた。*インターネットで調べると”蛭ヶ平”と言う場所だった  | 
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     白馬尾根  | 
    
     
     関節を冷やす釣さん  | 
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     ブナとツツジを楽しんで少し登ると、細い尾根になった。あと300mで頂上である。マルバタケブキが点在し、そして段々とその数が増してくると小さな石碑があった。昭和16年に遭難された方のものだった。  | 
    
     下山者とすれ違った。『これから上はもっと咲いているよ』と教えて頂いた。確かに高度を増すごとにシロヤシオの花が多くなってきた。そして釣さんの足と私の足は段々と重くなっていき、中々進まなくなった。  | 
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     広い場所に出て小屋が見えてきた。もうすぐ頂上である。犬が警戒して吠え立てるのも聞こえてきた。 小屋の裏側に出た。直ぐにベンチのある方に移動した。そこで登頂を祝って乾杯した。そのアルコールの所為に操作を誤り写真を消してしまった。 ツツジの花は1673mのピークで終った。ツツジは麓から白とムラサキの花々を咲かせながら、新緑の春から深緑の夏への季節の幕を開けた。今年の春はツツジと一緒にここで終った。 13時、鬼ヶ岩に向って出発した。下山は少し歩き易い白馬尾根のルートを通る事にした。 ここはミツバツツジも多く、直登ルートとはまた違った趣があった。雷平で見かけたグループがここで写真を撮っていた。 そして、小さなシロヤシオの木が何本か伸びていた。あと何年後には、白い花を沢山咲かせるだろう。手のひらで軽く押さえると、柔らかな反発力が心地よかった。  | 
    
     【コース時間】 
    登りはじめ           8時00分   蛭ヶ岳出発時刻 13時 00分 鬼ヶ岩 13時35分 雷平 15時05分 駐車場 16時30分  | 
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     今回写真を150枚ほど撮ったのですが、誤って100枚が消えてしましました。上から7段目左まではTさんと釣さんのご好意に甘えて彼らの写真を使っています。 従って写真と文が一致していませんのでご留意願います。  | 
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